2010年8月12日木曜日

広島 長崎 Hiroshima Nagasaki



今年、広島と長崎では、65回目の原爆の日でした。
そして、ここアメリカでは、核兵器廃絶に向けての集いなどが行われていました。

その数日前の7月31日、初めてロスアラモスへ。友人作の折り鶴をお供に行ってきました。サンタフェから、車で1時間弱くらいです。
ロスアラモスは、広島と長崎で投下された原子爆弾が作られた場所。
数ヶ月前、ウパヤ禅センターにてキリスト教の神父さん Fr.John Dear の講演会があり、今回のロスアラモスでの集会のことを知り、参加する機会を得ました。



集合は、町の中心部にある美しい湖。その湖中には、鶴のオブジェが品やかな姿を見せています。
今では、人々の憩いの場となっている水と緑の美しい公園。この場所で、原子爆弾が作られたとは、想像しがたい現実です。
同じく、広島の原爆ドーム界隈や平和公園も、今では、緑豊かな場として再生しています。
自然の力、人々の力、つくづくと、偉大ですね
広島出身の私は、路面電車から原爆ドームを見上げると、また、宮島厳島神社の紅い鳥居を海の向こうに眺めると、あ〜広島に帰ってきた…と実感します。
ここロスアラモスで、被爆地の広島も、今では美しい場所になってますよと伝えると、涙ぐまれました。



キリスト教徒による今回の集会は、7月最終の土曜日と8月6日、毎年行われています。
ロスアラモスでのこういった運動について、こちらに引っ越してくるまで全く知りませんでした。
毎年、毎年、数百人の同士らが、「原子爆弾を作った場所から、原子爆弾を無くしていこう」と祈り、行動を起こしています。
この美しい湖から見える高台の研究所で、今も、核を利用しての兵器が研究され生み出されています。しかも、オバマ政権に変わって、これまでよりも巨額の研究開発費が使われているとのこと。これに関しては、色々と事情もありそうなのですが…
この研究所に、そして、世界に向けて、核兵器廃絶を訴える今回の集まりでは、湖から研究所近くまで歩き、そこで、30分間の瞑想。そして、湖に戻るという静かな、そして力強い祈りでした。





皆が身につけた小麦などを入れる麻袋。袋に首と手を通す穴をあけたものです。
そして、灰を貰い、瞑想の時に自身の回りに、その灰を撒きました。
これは、キリスト教の聖書の一節からくるものとのことです。

列となって歩く道中、行き交う車の中から、反発の声が数回。そして、応援の声が数倍。
反発の声は、今まで聞いたことが無かったとのこと。
ここロスアラモスでは、核のみでなく、様々な研究開発がされており、世界各地からの研究者が暮らしています。通り過ぎる家々で見かける様々な人種が、それを物語っていました。

瞑想を終え、湖に戻り、数人のスピーチと歌の演奏がありました。
スピーチをされた一人の女性 Ana Wright は、かなり上層部の軍人でしたが、イラク派遣が決まった時に、それに反発して退官。今は、平和活動家として有名な方です。
アメリカの各州から集まった私達、参加者に、どこからやってきたかを尋ねられました。私が、「ひろしま〜」というと、直ぐに反応され、前に出てくるように強く促されました。ひえ〜そんなつもりでは…と思いながら、回りの人々からの声にもおされマイクの前に。簡単な自己紹介をした後、あ・・・この場に皆さんと一緒にいるご縁、また、毎年行われているこの集会を知ったことの感動などを、しどろもどろに…話してました。



広島出身、そして家族が広島にいるということで、特にここアメリカでは、様々な反応に出会います。13年前にカナダとアメリカをバスで横断した時、道すがら、その反応に初めて出会いました。家族や広島、日本の人々へのお悔やみや謝罪の言葉。また、原爆投下を正当化する声などなど。

広島に生まれ育った私は、物心ついた頃からキノコ雲の映像や平和教育など、当然の如く身近にありました。社会人になり、関西へ引っ越して驚いたのが、その当然と思っていた平和教育などが、それ程(広島と比べてという意味です)、されていないということでした。その驚きが納得に変わったのは、関西では、関西に密着したより身近な学ぶべき事柄があるということを知ったからです。私は、それらについては、その時まで、殆ど何も知らずにいたのです。

世界中では、毎分、毎秒、様々な出来事が生じています。核兵器の開発、新たな生命の誕生、各地の災害、美しい祈りの姿、沖縄の基地問題…。その全てを知り尽くすというのは、不可能に思います。でも、それを知らないままでいることと、知ろうとすることには大きな違いが、あるのだと思います。

そして、その出発地点は、今ここ、足下から。私自身から。
そうなると、やっぱり、今ここに、目の前の出来事に、喜びや幸を、痛みを見いだせるかどうか、そこからなのですね。(これ、自分に言い聞かせてます。頭の中が先走り気味なこの頃…)

昨晩、家の窓から星を眺めていました。広〜い空一杯に輝く星。こんなに美しい星空に、今まで、目を向けてなかったなんて…
空一杯に深呼吸。



ロスアラモスでの集会前に入ったレストラン。アメリカのレストランで、私…食べたいものが無くて泣きべそなことよくあります。特に田舎町好きの私達。田舎に行けば行く程、ザ・アメリカ的なメニューしかないんですよね…って当然ですが。。テッドは、そんな私に同情しながらも、懐かしのメニューを前に嬉しそう。。

いくらなんでも、この大きさは…




手前:野菜のピタパンサンド&オクラのフライ(もちろん半分はお持ち帰りに)メニューの名前は、ヒッピーサンド!
向い:マッシュドポテト&マッシュルームのフライ&クリーミーなソースの下は、確か…鶏肉

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