2010年8月24日火曜日

書道と坐禅



先週の金曜日から日曜日、ウパヤ禅センターで書道ワークショップに参加してきました。
始まりは坐禅から。慌ただしく過ごしていたここ数日。禅堂の静寂と平穏が、私に繋がる全ての細胞を、一つ一つ、ゆっくりゆっくり、ま~るくまるく、あるがままの姿形に、落ち着かせてくれるようでした。

小中高校と、学校の授業で書道がありました。高校の時の書道の先生は被爆をされていました。いつも優しく柔らかい対応をして下さった先生。教師をしながら、平和活動をされていると他の先生から聞かされました。過ごした時間は決して多くはないのですが、私の中にストンと先生の存在があります。
高校卒業後は、筆を数回握ったことがあるくらい。今回の書道は、高校以来と言ってもいい程です。

書道ワークショップの先生は、アメリカ在33年の日本人、タナハシ カズアキ先生です。書道家の他、翻訳家、平和活動家としても有名な方です。高校の書道の先生を、ふと思い起こさせます。できたてほやほやの正法眼蔵の英訳本を持って来られてました。正法眼蔵、初の英訳本です。約50年来のお仕事だそうです。さらっと言われるその言葉の裏側にある重みが、本を持った手に伝わってきました。とても美しい本です。ケースに2冊の本が納まり、威厳を醸し出していました。いつか熟読してみたいです。

書き始めの字は、「女」。
お手本には、楷書、行書、草書があり、中国読みと日本読み、そして、その字ができた由来なども書かれ、先生からも、字にまつわるとても興味深い説明や話しを聞かせてもらいました。
行書や草書への試み、色を使っての書、大小様々な大きさの筆との遊び、大きな紙を使っての創作、観音様を描く…など、限られた時間の中で、書の基本だけでなく、楽しさや魅力なども存分に体験させて貰えました。

久しぶりの書道。ほんとにほんとに楽しかった。
一筆入れる時の、あの集中力と緊張感。その後に続く、流れとリズムに任された筆の動き。息と筆の調和。
今回は、特に、あの集中力と緊張感が、とても心地よかったです。あの感覚、しばらくぶり。忘れていたようで、実は、私の奥深くに眠っていた、あの感覚。全細胞にユレを、微振動を与えてくれました。



観音様を描いていた時、カズ先生から話しかけられました。細身で口髭と顎髭を蓄えられ、作務衣を身につけられた先生の語り口調は、とても穏やかで、ゆっくりと、必要なだけの音量で話されます。
様々な話しの後、書道について最も大事なことは何ですか?と伺うと、「practice(稽古、練習)」と。やはり、そうですね。
その稽古について、「古典から始めるといいですよ」と言われました。
私、「個展」と間違え、「え!?私のレベルで個展ですか?」と、またしても…天然してしまいました。。。

全員の作品を、禅堂に並べて乾かします。その一つ一つを、それぞれの表現を、見て感じる面白み。微かに漂う墨の香り。書に集中している者、ぼーと外を眺める者。それぞれの今が、禅堂にありました。

最後に、禅堂で円を組んで坐り、自分の作品の中から一つ選び、自己紹介と共に、作品紹介もしました。今回のワークショップは、始終沈黙ではなく、お昼&晩ご飯、書の時間にはお話しができたので、数人の方とは既に話していましたが、この最後の自己紹介で、どこから来たのかなど初めて知る方もありました。

私は、「心」を選びました。太い筆で書き上げたものです。まあるい山のように筆が踊った「心」。何だか、気に入りました。回りから、インディアンマスクみたい、クラゲみたい…と言われ、何にでも見える潜在力も楽しかったです。ふと、有名な騙し絵「婦人と老婆」を思い出しました。

学生の時とはまた違う、今の自分と書道との出会い。
今回のワークショップを機に、書を再開しようと思っていました。日本から送ってもらった和紙と墨汁もあるし…うっしっし。

このワークショップでは、とてもいい出会いも幾つかありました。
これから、深まっていく予感のご縁。

ゆっくりと動き始めてます。

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