2010年5月25日火曜日

お茶と和菓子

楽しみにしていたお茶のお稽古。
それもこれも、京都での素晴らしいお茶の時間のお陰です。
サンタフェの住宅街。
どこからどう見ても、他の家と変わらないアドベスタイルのお家。
でも、玄関から奥に入ると…四畳半のお茶室へと続くのです〜

深く、澄み切った先生の眼差し。
床の間には、掛け軸、花器と可愛らしいお花たち。
今日の軸は、大徳寺の和尚さん筆、
「薫風自南来」(くんぷうみなみよりきたり)。
しかし、ここ最近のサンタフェは、薫風と言うよりも強風きたり。
お菓子は、生徒さん手作り、マンゴ羊羹!

日本でのお稽古で、楽しみの一つだったのが、その季節毎の美しく美味しいお菓子。
アメリカには和菓子屋さん無いし…と諦め心境だった私でした。
こちらのお稽古では、先生と生徒さんが、順番に手作りしてるとのこと。
嬉しい♪
ということは…、もちろん私にも、その番が回って来る訳でして…汗。。。

このマンゴ羊羹、柚子も入り甘さ控えめ。
とても瑞々しく美味しかったです。
他の生徒さん命名、「南国便り」。

お稽古の後、「和菓子作り教室」に参加しました。
お茶と和菓子を教えてくれる先生、お茶は裏千家お家元、お菓子は京都の有名な匠の下で学ばれたお方。

作る和菓子は、水羊羹とちまき。
水羊羹、白のこしあんと寒天で。
先生が作って来て下さった小豆蒸しケーキと水羊羹を型に入れ、重ねてできた一品。
ちまき、吉野葛とこしあんで中身を作ります。
サンタフェで、吉野葛に出会えるとは!
吉野葛以外の材料は、隣町にあるアジアスーパーマーケットで手に入るとのこと。
何だか、色々と眼から鱗。
その中身を、大きな笹で包みます。
参加者全員が手に笹を持ち、円状に頭をつき合わせながら包む場面、可笑しかったです。

今日のレシピは様々なバリエーションの基本となるもので、餡子や混ぜ合わせたジュースの種類を変えることで、様々な味や色が楽しめます。
参加者の想像力がどんどこ膨らみます。
しかも、スゴイ熱心なこと!



ここサンタフェで、こんな和的な一日を過ごせたこと。
不思議さと嬉しさも噛み締め、やっぱり人生って面白いですね。
ありがたいです。


甘いもの繋がり:ハーゲンダッツもアドベスタイル!

2010年5月22日土曜日

タイフェスティバル

サンタフェで、第一回目のタイフェスティバルが開催されました。
一人の女性が発起人です。
彼女の友人・知人、ご縁のある人々による手作りのお祭り。

タイでは、学校に通えず売春婦になる女の子がいます。
(もちろんタイだけではないですが)
一人の女の子が、一年間に必要な学費は、日本円で約15,000円とのこと。
その学費への寄付金を募ることを目的とした、今回のタイフェスティバル。

私は、チャリティー指圧で参加しました。
指圧している間に、タイ料理が並び、人も沢山集まって来ました。
この雰囲気だけで、かなり楽しんでいる私。
他にも、手作りの鞄や飾り物、写真のオークション、チャリティーマッサージなど。

タイ民族衣装を身につけた女性らが舞台に上がります。
彼女らは、隣町のアルバカーキーに暮らすタイの人々とのことでした。
いよいよ、タイ舞踊の始まりです。
と同時に、私は退散しなければならない時間に…
タイ舞踊、タイ料理に熱い視線を送りながら、お祭りを後にしたのでした。。

友人から貰った、携帯用のお箸・スプーン・フォーク・ナイフのセット。
全て竹製で、それらを入れる袋は、とても可愛らしく綿100%。
タイとビルマの国境、難民キャンプで暮らすカレン族の女性らの手作りです。
これらの収益は、カレン族にとって、とても大きな意味をもちます。
また、使い捨てのお箸などを使わなくても済みますね。

アメリカに移る前に訪れたタイ。
そこで出会った人々や暮らし、匂い、それらが一気に思い起こされます。

毎日のニュースで知るバンコクの近況。
ここサンタフェの山間に建つ、裕福な人々の家。
アラスカの森の中を歩くグリズリー親子。

世界中、様々な暮らしや営みがあります。
私も、その一部であり、その繋がりの中で生かされています。

2010年5月21日金曜日

お蕎麦と天ぷら

日本食のお昼ご飯。
ウパヤ禅センターで、お蕎麦と野菜の天ぷらを作りました。
両親が日本人でカナダ生まれアメリカ育ちの女性、アメリカに10年暮らす日本人女性、そして私の三人で。
お蕎麦は、SOBA PASTA と表示された上質のものです。
おつゆ、乾燥昆布の出汁をベースに。
天ぷら、玉ねぎ、中身がオレンジ色のさつまいも、人参、アスパラガス、ブロッコリー、ズッキーニ、それと、ニューメキシコらしく、グリーンチリ!
ズッキーニとグリーンチリ、私にとって初めての天ぷらです。
薬味には、わさび、海苔、生姜。
あ〜完璧!



天ぷらを揚げていきます。
私、どれくらいぶりの揚げものかしら…と考える程、久しぶりの天ぷらです。
大きな台所で、久しぶりの天ぷらに嬉々とお箸を動かします。
お昼ご飯は、坐禅の後。
坐禅終了の時間が刻々と迫ってきます。
坐禅を終え、皆が台所に集まってきました。
今日の日本食を楽しみにしてくれている面々。
間に合わない〜と慌てても、天ぷらはマイペースで揚がるのみ。
あっという間に空になる天ぷらのお皿。
揚げては盛り、揚げては盛り。

いよいよ、私達も、テーブルについて、いただきます〜
美味しい。ほんとに美味しい。
この味。よく知ってる味。細胞がすっと吸収する味。
美味しすぎ。いつもよりもモリモリ食べてしまいました。。

その夕方…実は、油に弱い私。。。
頭痛と、お腹の気持ち悪さ。張り切って揚げすぎです。笑)
一番の薬は、食べずに眠ること。
翌朝、随分とマシになりました。
更に、腹部指圧をして、快適に一日をスタート。

皆の美味しそうに食べる表情。
みるみるうちにお皿から無くなった天ぷら。

沢山の「ありがとう」を頂き、心もお腹も満たされました。

合掌。

2010年5月20日木曜日

Tent Rocks







風と水によって創作された自然美。
ここは丸めて、ここはとんがらせて…と意思を持って削られたような完全なる姿。
或いは、意思を持たないからこそ現れる、神々しい姿。
それらの過去、そして、未来の姿を思う。
諸行無常。





後ろから大きな風が、私の立ち位置を通り過ぎる。
軽く繊細な砂が、一気に舞い上がり、私の服に帽子に着陸する。
他の砂たちは、もしかしたら、サボテンに、赤や黄色の眩しい程の花に、友人の背中に乗っかったのかもしれないし、目の前に在る Tent Rocks の一部になったのかもしれない。
次の風が吹いたら、また旅をして、そして、また旅をして…





根っこが露出した背の高い木。
どこから水を得てるんだろう…
乾燥した土地に根付く草や花たち、小さく可憐で、はっきりとした色彩。
時々見かける、サラサラと動く小さな生き物、ヤモリ。

高台から見えた、人口ダム。
この国立公園のすぐ近くに建設された大きなダム。
乾燥地帯のニューメキシコ州。水はとてもとても貴重。
ただ、やはり、人工物が、妙に浮いて目立って見えた。
友人は、夏にここで泳げるのか調べてみよう!と嬉しそう。
そっか、泳げる場所も、ここでは、とても希少価値あるもの。







人口ダムの無かった時代。
ネイティブアメリカンたちの暮らしを思う。
この乾燥した大地で。
駆け抜ける馬。
そこから生まれる智慧。

2010年5月18日火曜日

ぼちぼちいこか

「ぼちぼちいこか」
我が家リビングルームの真正面に掛かる江崎満氏の版画です。
亀が、もっちり逞しい手足をゆっくりと、一歩一歩動かしながら、太陽の方へ向かっています。
そして、亀の下には、村田啓子さんの「月のれん」。
新月から満月へ。満月から新月へ。



サンタフェで指圧を再開しました。
初めて「指圧布団」を購入。
日本では普通の布団を使っていましたが、アメリカは布団文化ではないので、○○用と特別仕様なのです。
オーガニックコットンとカバーの気持ちのいい布団。
サンタフェにある布団店で。
このお店に入ると、布団や座布団、枕…などなど見慣れたものが一杯。
店主は、日系三世の女性です。
アメリカ生まれ育ちだけど、これだけは誰が見ても日本人だって言うの〜
と、大笑いしながら、歩いて見せてくれました。
重心が低く縦横のユレが少ないのが、日本人の歩き方とのことでした。
なるほど…

指圧、アメリカでも shiatsu と呼ばれています。
サンタフェで、指圧をしてる人は少なく、
鍼灸の学校があるのも理由の一つで、鍼灸師は沢山いるとのことです。

アメリカ人は、サプリメントをよく摂取します。
アメリカのサプリメント文化とさえ呼びたくなります。
というか、私、呼んでいます。
日本のように公的医療保険ではないので、(一般的に、アメリカの医療保険は日本に比べて随分と高い)、何かあれば、ちょっと病院に行ってきます〜という訳にはいかず、自分の健康管理に慎重になり、サプリメントを日常的に摂取するとも言えるかもしれませんが、とにかく、サプリメントが莫大に売られ、莫大に買われます。
オバマ政権の公的医療保険制度、支持していますが、なかなか前に進まない現状。
また、物質的に豊かな国だけに、次から次へと登場する新しい「よさそうな物」に意識が向かう傾向もあるように思います。この物質・消費社会について、どう思うか、数人のアメリカ人からも尋ねられました。

「自然治癒力」
全てのものに与えられた真理。
私がお伝えしたく、共有したく、確信して頂きたいこと。

亀さんのように、ぼちぼちと、確実に、一歩一歩、道を歩いていきたいと思います。



タイ人の友人から言われ、地神様によろしくお願いしますとの儀式を行いました。
お米と果物、21本のお線香。
儀式の最中、雪がドンドン降り始め、お供え物がみるみる雪に包まれていきます。
翌日、雪も、食べ物の姿もなく、地神様か、先月、見かけた鹿の家族か…
想像して喜ぶのでした。

2010年5月17日月曜日

going to the movies

4月28日〜5月2日、ウパヤ禅センターのリトリート"going to the movie"に参加しました。
導いてくれるのは、禅の先生、作家、映像作家の3人の女性です。
4泊5日で観た映画とドキュメンタリーの数、10本。
その合間合間に、出された課題について書いたり、意見交換したり。

映像の内容たるや…
それはそれは濃く深く、問題提議してくれるものの数々でした。
例えば、イラク戦争で怪我をおった男性の妻が作ったドキュメンタリー。
戦争で自国の兵士にレイプされ、その傷を背負って生きる女性を中心に展開される、数々の悲劇と新たに育まれる愛情を描いた映画。
中国の大工場の日々の営みと変わりゆく風景。

ユダヤ人とドイツ人女性二人のドキュメンタリー。
ナチスドイツ下で家族を失ったユダヤ人女性と、
ヒトラーの側近の部下であった祖父をもつドイツ人女性。
それぞれの血を引く二人の女性が出会い、怒りをぶつけ、ぶつけられ、
泣き、そしてお互いに歩み寄り、心のシコりが緩んでいくのを目の当たりにしたドキュメンタリー。
そのドイツ人女性ご本人が来られ、質疑応答も行われました。
彼女と彼女の弟さんは、彼らの血族を自分達までで絶やそうと、
二人とも子供を持たない決断をしたと聞いた時、
胸がしめつけられるような悲しみが襲ってきました。
血族、家族、養子縁組…ぐるぐると思いが巡りました。

リトリートで観た最後のドキュメンタリーは、参加者の一人、映像プロデューサーが撮影したヒマラヤの雪山やチベットなどの風景でした。
一杯一杯になっていた私自身に違った風を吹かせてくれ、清々しかったです。

そんなこんなの5日間。
中には、途中でリトリートを中断した参加者もおられました。

映像の合間の意見交換では、様々な視点や、見過ごしていたことなどを
明確にしてもらえたりと、英語力が拙い私には随分と助かりました。
それぞれの映像が、メッセージを与えてくれ、自分なりに考え、そこで自分に何ができるのかという、創造の種を植え付けてくれたようにも思います。
でも、まだまだ消化吸収中。。。

禅センターでもあり、リトリート施設としても運営されているウパヤ禅センター。
日本とアメリカのお寺事情、仏教の有り様の違い…学ぶこと一杯です。


写真は、5月2日の朝。またも雪が降るなんて…