2010年4月22日木曜日

Tsankwai



禅センターの春期修行中の皆さんと、Tsankawiへ。
サンタフェからロスアラモスへの道中にある国立公園。
NM州の独特な景色、雄大なメサを目の前に歩く。
火山の噴火によって出来たというこの異色な地形。
噴火の後、辺りに散らばった石や岩が、
削り易く住居に適しているというので、
ネイティブアメリカンが暮らし始めたとのこと。
確かに削り易い。簡単に手で崩せたり、削ったりできる。
そのようにして造られた沢山の洞穴。
小さなものから数十人入りそうなものまで様々。

大人一人サイズの洞穴に入る。
今まで耳や鼻にぶつかっていた風が、
一瞬にして存在しなくなったかのような静けさ。
大地に包まれた自分だけの小部屋。
私の中に自然と広がる安心感。
その中での瞑想。
騒がしかった心が、静かに内へと向かっていく。
洞穴によっては、内側が黒く煤けている。
恐らく、火を熾し料理をしていたのであろう。
至る所にあるペテログラフ。
何年前に描かれたんだろう…意識と想像が膨らむ。
残念ながら、その中の幾つかは、つい最近、
誰かの手によって描かれたものだろうと安易に想像できた。





同行の一人が、静かに私の横に坐り、
ロスアラモスの核兵器工場を見つめながら
丁寧に優しく語りかけてきた。
広島出身の私に、この現状をどう思うかと。
今まで殆ど話した事のなかった彼女との真摯な時間。
違う文化、教育を受けて来た二人に共通する強い願い。
ロスアラモスの大地の傷みが伝わってくる。
幼少期から繰り返し見てきたキノコ雲が、思い浮かんだ。
ここからやってきたんだという思いが、
何度も見た映像を導いたのかもしれない。



それぞれの時間を過ごし、集合場所へ。
全員の顔が、今朝よりも爽やかに活き活きとしている。
沢山の気を頂いた。
帰り際、車の中から皆で拝んだネイティブアメリカンの聖地、黒メサ。
近い内に行くであろうロスアラモス。
広島からロスアラモスへ。
これも何かのご縁なんでしょね。