2010年10月26日火曜日

ヨガと指圧



先週金曜日から今日まで、夕日を浴びながら指圧をしていました。

サンタフェ在の TS Little (ティーエス リトル)と Surya Littele (ソリヤ リトル) 達のヨガスタジオ Prajna Yoga によるティーチャートレーニングが行われています。
彼は、アメリカだけでなく、ヨーロッパやアジア…と世界を飛び回って指導しています。
2008年に、日本でもワークショップを開催しました。
京都で行われた時は、家族で我が家にお泊まり。
そして、今は、私達が、サンタフェに移住。
いつの間にかに、同市民です。

今回のティーチャートレーニングは、経験&トレーニング豊富なヨガの先生対象です。
テッドも参加中。
場所は、禅センターの禅堂。
禅堂でのヨガ。
気持ちいいに決まってます。

そして、ティーチャートレーニングの際にはいつも、私の指圧を生徒さんに紹介してくれています。
生徒さんにとっても、とてもいいと。
ありがたいです。ホント。
今回は、トレーニング後、1日2人限定で。
何と、初日で既に満員御礼!

ほぼ全員が、指圧を受けるの初めてという面々でした。
各州から集まったヨガの先生。
自分の状態や弱い部分、ストレスなどなど、よく意識しておられます。
そして、東洋医学や経絡についての質問も沢山ありました。

ヨガを通して得られたこと、ひどい腰痛からの回復。
家族のこと、笑顔の裏にある悲しみ。
ヨガの指導中には、恐らく誰も気がつかないであろう傷み。
それぞれが、それぞれの表現で語ってくれました。

私にとって、至福の時間。
指圧を通して共有する、その一瞬一瞬。
気の交流。

あー、やっぱり、私、ホント、指圧好きだわ〜って思います。
この感覚。
指圧でなくてもよいのですが、
今は、ご縁あって、指圧と出逢っているようです。

私がさせて貰っている指圧は、経絡指圧 (Meridian Shiatsu) と言います。
アメリカでは、禅指圧 (Zen Shiatsu) という名で紹介され、割と認知されています。
私、この名前、正直、違和感あります。ありまくります。笑)

アメリカでは、日本からやってきたものに、「禅」とつける傾向があるように思います。
禅ガーデン、禅料理、禅スタイル…
それだけ、禅がよく知られ、地位を確立しているという現れでもありますが。
「仏教=禅」と思っている人にも、今まで、何人か会いました。

話しは指圧に戻り…

1人目の指圧の時、目の前に太陽が沈んでいきます。
強烈な光を放ちながら傾き、沈んだ後は、紫色とピンク色が交ざったような鮮やかな夕焼け。
そして、刻一刻と色合いを変化させながら、次第に、暗闇が広がっていきます。

ヨギーニと過ごした連日。
私も、ヨガしてるから、ヨギーニ?!
とても気持ちのいい、軽やかな時間でした。

Prajna Yoga&生徒の皆さん、どうもありがとうございました。
次回も、楽しみにしていますね。

(って言っても、この日本語ブログのこと、誰も知りませんが…へへへ)

(と思っていたら、太極拳の教室で、アメリカ人男性から、私のブログ読んだよ!英訳ソフトを通して、と… どうやってブログに辿り着いたのかしら…)

写真:約2週間前のアスペン並木。

2010年10月20日水曜日

バルーン・フィエスタ

アルバカーキのバルーン・フィエスタに行ってきました。
世界一規模のバルーン・フィエスタ(気球の祭典)。
9日間、開催されます。
日の出前後の気温の差が大きく、何も遮る物がない大地と大空。
気球にとって、絶好の条件のようです。

早朝4時起床。
友人達と車でアルバカーキへ。
そして、シャトルバスにて現地へ向かいます。
現地到着は6時頃。
まだまだ暗い時間帯です。
でも、そこには、老若男女、地元民から観光客まで、沢山の人々が待ち受けています。
大きなテント小屋には、食べ物屋さん、カフェ、お土産屋さん…と賑やかです。

うっすらと回りの景色が見え始めると同時に、地面に横たわる気球の姿が見えてきます。
寒さが身を包みます。
思った以上に冷え込み、その場足踏みをしながら、東の空に、早い日の出を願います。

暗闇の中、美しく浮かび上がる気球。






明るくなってきました。
出番を待つ気球が、次から次へと形作られていきます。
人だかりから、活気と声援が弾けます。






気球と言えば、丸い!何て思っていた私。
ニワトリ、牛、馬車…何でもこい。
ダースベーダーまでありました。
子供達が瞳を大きく輝かせ、大人達が童心に戻り、空を見上げます。

色とりどり、形とりどりの気球。
約700機の気球が、大空に、気持ちよさそうに、舞っていました。

2010年10月16日土曜日

合掌




病と向き合っていた友人が、この世を去りました。
私よりも1歳若く、ヨガの先生でした。
私が知り合ったのは、今年の4月。
体調が悪くなり、検査入院をしていた頃です。

私が指圧をしているというと、是非、受けてみたいと。
とても好んでくれ、それから、週一回位の間隔で会っていました。
指圧と、自然療法の生姜湯の湿布が定番となっていきました。

彼女は、西洋医学と合わせて、ヨガ、東洋医学、アーユルヴェーダ、食事療法…と、出来得る限りの情報を調べ、取り入れていました。
彼女の全力で向き合う姿。
何事にも、全力で、時に、それ以上の力で向き合う姿。
彼女のヨガ指導も、とても独特で力強いものだったと、誰もが言います。
生きようと、本当に一生懸命に、生きようとしていました。

徐々に歩くのも困難になっていく中、ブログを通じて、多くのボランティアを募り、食事や病院への送迎、身の回りのことなど、家族や友人、ヨガの生徒さん…と、サポートの輪が広がっていきました。
私も、その中の一人でした。

生と死。
無意識下で、心臓が動き、血液が全身に運ばれ、呼吸し、恒常性を保っています。
当たり前のように思っているけど、実は、奇跡的なことであるということ。
いつ何時、その当たり前と思っている事実が、そうではなくなるかもしれないという可能性を、誰もがもっているということ。

一昨日、彼女のメモリアルサービスが行われました。
彼女のヨガスタジオに、沢山の人々が集まりました。
彼女と共に過ごした時間や出来事を、家族や友人らが語り継ぎます。
笑いあり、涙あり。
歌い、ヨガスートラを唱え、共有し…

悲しみを、悔いを、引きずっていた私。
そこでの時間、交わされた会話が教えてくれました。
彼女は、存分に、彼女の生を生ききったと。
肉体との別れを、静かに受け入れて逝ったと。

彼女が早朝に亡くなった日。
美しい虹が、しかも二重の虹が、かかっていました。
今は、痛みから解放され、大好きなヨガと音楽に浸っているかもしれません。

あれ程に一生懸命に生きようとした彼女から、多くを学びました。
一日一日を懸命に生きた姿から、一日一日の大切さ、ありがたさを教えて貰いました。
共に過ごした濃い時間に、心から感謝です。

合掌。



写真:タイとラオスの国境、メコン川に沈む夕日

2010年10月8日金曜日

火と水とキャンプ



9月の終わりに、キャンプに行ってきました。
こちらに移住して、初めてのキャンプ!
行き先は、The Valle Vidal(バレ ビダル)。
スペイン語で、人生の谷、です。
タオスの北に位置します。

いつもの如く、ハイウェイをなるべく避けて、山道裏道を選んで走ります。
幾つもの小さな町を通ります。
そこにある暮らしと、ほんの少しですが、交われる喜びがあります。

バレ ビダルの秋は、釣りと狩猟のシーズンと聞いていました。
海は遠く、川も殆ど見かけないサンタフェ暮らし。
釣り…ホントに?!という思いを少し抱えながら、バレ ビダルへ。
広い大地、山々が連なります。
そして、そこには…釣り人らしき姿が!

水が流れる音、川の潤い、その流れ沿いに咲く草花。
乾燥地帯では、水の存在を、緑の濃さで知ることができます。



次に見かけたのは、全く同じ格好をした男性3名。
ウエスタンブーツとハット、裾広がりのジーンズに大きなサングラス…
大きな車には、馬小屋(きっと特別な名前があるのでしょうが)が繋がっています。
そして、すぐ側で、草を食む馬たち。
そう、彼らは、馬に乗り、弓狩りをするカウボーイです。
10月になると、鉄砲狩りのシーズンが始まるんだそうです。。



山の奥へと入っていきます。
舗装されていない道路が、ますます荒くなってきます。
エルクやバッファロー見たさに、私達の視線も真剣。
川だけでなく、沼や湖もあります。
湖では、水に漂う海藻のダンス、小魚の集団泳ぎ、カヌーをする人…
水のある景色、美しさにメロメロです。笑)





山から谷間に下る直前、あまりの美しさに車を止めて外に出ます。
遮るものが何もない、あるのは、大地と山と空。
時空間が止まったような錯覚さえ起こす、その景色を前に、初老のご夫婦が腰掛けてビールを飲んでいます。
「この人は、この辺りのことは何でも知っているよ」奥さんが旦那さんのことを紹介してくれました。
炭坑が盛んだったこ頃のこと、暮らしているタオスから度々ここに来ては、こうやってここの景色を眺めるのが好きなんだと、話してくれました。
日本人であることを伝えると、「この場所に来れて、本当に幸運だよ」と言われました。

少し日が陰り始めた頃、キャンプ場に到着。
国定森林なので、キャンプしてもいい場所が決められています。
ここにも、馬が数頭。
弓狩りをする人々です。

ニューメキシコ州で、初めてのキャンプ。
張り切ってテントを準備します。
ポールを設置しようとした瞬間…ボキッ!
え!え!
ポールが見事に折れました。
マジで!楽しみにしていたテント泊が…

切り替わりは早いです。
じゃあ、カーキャンプに変更〜
車を買う際の条件の一つだった、車で寝れること!が大活躍。
因に、スバルのアウトバックです。
サンタフェでは、本当に沢山のスバルが走っています。
特にこのアウトバック。
同じ機種(しかも同じ色)の車を、一日に数台は(大袈裟でなく)見かけます。
というのも、雪道に強いというのが一番の理由。
日本では、スバルに注目したこと一度もなかったのに、こちらは、スバル王国です。

後部座席を倒して、エアーマットと寝袋を広げます。
テッドの寝袋は最新式で、寝袋の背部に、私のと比べ3倍程の分厚いエアーマットを入れるようになっています。
かなり温かく、広く、本人曰く、ベッドみたいと。
アウトドア用具の進化には、いつも驚きます。


そして、今回初めて使う、最新式ガスコンロ。
もちろんコンパクトで簡単着火。
標高の高さなど何のその。一気にお湯が沸きます。
これにもびっくり。

キャンプ食品も進化しており、お湯を入れるだけで、晩ご飯にパッタイ。
朝ご飯に、ブルーベリーミューズリーを、頂いてしまいました。
丸いブルーベリーがごろごろ入っています。
しかも、全てオーガニック。
こんなハイテクなキャンプ。
マニュアル人間の私には、ちょっと居心地悪すぎる程。。笑)

キャンプと言えば、キャンプファイアー。
落ちている枝を集め、焚き火の始まり。
寒さが一気に和らぎます。
暗闇が濃くなる毎に、明るく、そして大きくなる炎。
火との時間。
古代から、人々が、こうして囲み過ごしてきた時間。
火と静寂。



3日前が満月だったこの晩、車の窓から大きな月を眺めることもできました。

そして、翌日、日の出を正面から浴び、太陽熱でカラダが温まります。
ちょろちょろと流れる小川。
霜がかかった、朝の草。



キャンプ場を出発して、野生の時間を走ります。
鷹が優雅に風に泳ぎ、バッファローが群れをなしていました。

道路脇に広がる、アメリカの資産家が所有する莫大な土地。
彼は、この土地を野生の、自然のままに保つために購入したそうです。
ここだけでなく、他の州にもいくつか所有しているとのこと。
開拓やビジネスのために使われる前に。
購入当初は、地元民からの反発もあったそうですが、彼の所有地のありよう、美しさに、多くの人々から賞賛されているとのことです。

そして、帰りも山道を経由して、小さな町を訪れます。
アルパカ農場では、毛を刈られたばかりの細身のアルパカたち。
地元のレストランでの会話と食事。
よく笑うウエイトレスのおばちゃん。
リトル アラスカという名のアイスクリーム屋さんでは、てんこ盛りのアイスクリーム。
道路工事現場で働く、地元の学生。

そこにある暮らしから、自分が暮らす場所へと帰ってきました。

2010年10月6日水曜日

桃の木



秋の彩りを前に、悶々としています。
文化も言葉も違う中。
当然です。

今まで当たり前だったことが、スムーズに運ばれていたことが、
当たり前でなく、壁にあたり、葛藤し…
伝えたいこと、表現したいことが、半分程もできなかったり。
逆に、シンプルにストレートに伝え表現することの、よさがあったり。

この悶々が、後になって、いい経験だったと言えるのでしょう。
この悶々を通して、多くを学んでいることも知っています。
でも、やはり、この渦中にある今は、正直、ちょっと落ち込むこともあります。

日本が、家族や友達が、恋しくなります。
昨晩の夢では、なぜか、糸こんにゃくを頬張っていました。笑)

同時に、文化も言葉も違う国に暮らすことで得られること、
沢山あります。
楽しんでいます。

模索し、出逢い、身に付いた思い込みとさよならし、感謝して。
仕方のない今の私、受け入れます。
よしとします。へへ。

新たな桃の木が、庭に、
秋の陽を浴びて、育っています。