2010年10月8日金曜日
火と水とキャンプ
9月の終わりに、キャンプに行ってきました。
こちらに移住して、初めてのキャンプ!
行き先は、The Valle Vidal(バレ ビダル)。
スペイン語で、人生の谷、です。
タオスの北に位置します。
いつもの如く、ハイウェイをなるべく避けて、山道裏道を選んで走ります。
幾つもの小さな町を通ります。
そこにある暮らしと、ほんの少しですが、交われる喜びがあります。
バレ ビダルの秋は、釣りと狩猟のシーズンと聞いていました。
海は遠く、川も殆ど見かけないサンタフェ暮らし。
釣り…ホントに?!という思いを少し抱えながら、バレ ビダルへ。
広い大地、山々が連なります。
そして、そこには…釣り人らしき姿が!
水が流れる音、川の潤い、その流れ沿いに咲く草花。
乾燥地帯では、水の存在を、緑の濃さで知ることができます。
次に見かけたのは、全く同じ格好をした男性3名。
ウエスタンブーツとハット、裾広がりのジーンズに大きなサングラス…
大きな車には、馬小屋(きっと特別な名前があるのでしょうが)が繋がっています。
そして、すぐ側で、草を食む馬たち。
そう、彼らは、馬に乗り、弓狩りをするカウボーイです。
10月になると、鉄砲狩りのシーズンが始まるんだそうです。。
山の奥へと入っていきます。
舗装されていない道路が、ますます荒くなってきます。
エルクやバッファロー見たさに、私達の視線も真剣。
川だけでなく、沼や湖もあります。
湖では、水に漂う海藻のダンス、小魚の集団泳ぎ、カヌーをする人…
水のある景色、美しさにメロメロです。笑)
山から谷間に下る直前、あまりの美しさに車を止めて外に出ます。
遮るものが何もない、あるのは、大地と山と空。
時空間が止まったような錯覚さえ起こす、その景色を前に、初老のご夫婦が腰掛けてビールを飲んでいます。
「この人は、この辺りのことは何でも知っているよ」奥さんが旦那さんのことを紹介してくれました。
炭坑が盛んだったこ頃のこと、暮らしているタオスから度々ここに来ては、こうやってここの景色を眺めるのが好きなんだと、話してくれました。
日本人であることを伝えると、「この場所に来れて、本当に幸運だよ」と言われました。
少し日が陰り始めた頃、キャンプ場に到着。
国定森林なので、キャンプしてもいい場所が決められています。
ここにも、馬が数頭。
弓狩りをする人々です。
ニューメキシコ州で、初めてのキャンプ。
張り切ってテントを準備します。
ポールを設置しようとした瞬間…ボキッ!
え!え!
ポールが見事に折れました。
マジで!楽しみにしていたテント泊が…
切り替わりは早いです。
じゃあ、カーキャンプに変更〜
車を買う際の条件の一つだった、車で寝れること!が大活躍。
因に、スバルのアウトバックです。
サンタフェでは、本当に沢山のスバルが走っています。
特にこのアウトバック。
同じ機種(しかも同じ色)の車を、一日に数台は(大袈裟でなく)見かけます。
というのも、雪道に強いというのが一番の理由。
日本では、スバルに注目したこと一度もなかったのに、こちらは、スバル王国です。
後部座席を倒して、エアーマットと寝袋を広げます。
テッドの寝袋は最新式で、寝袋の背部に、私のと比べ3倍程の分厚いエアーマットを入れるようになっています。
かなり温かく、広く、本人曰く、ベッドみたいと。
アウトドア用具の進化には、いつも驚きます。
そして、今回初めて使う、最新式ガスコンロ。
もちろんコンパクトで簡単着火。
標高の高さなど何のその。一気にお湯が沸きます。
これにもびっくり。
キャンプ食品も進化しており、お湯を入れるだけで、晩ご飯にパッタイ。
朝ご飯に、ブルーベリーミューズリーを、頂いてしまいました。
丸いブルーベリーがごろごろ入っています。
しかも、全てオーガニック。
こんなハイテクなキャンプ。
マニュアル人間の私には、ちょっと居心地悪すぎる程。。笑)
キャンプと言えば、キャンプファイアー。
落ちている枝を集め、焚き火の始まり。
寒さが一気に和らぎます。
暗闇が濃くなる毎に、明るく、そして大きくなる炎。
火との時間。
古代から、人々が、こうして囲み過ごしてきた時間。
火と静寂。
3日前が満月だったこの晩、車の窓から大きな月を眺めることもできました。
そして、翌日、日の出を正面から浴び、太陽熱でカラダが温まります。
ちょろちょろと流れる小川。
霜がかかった、朝の草。
キャンプ場を出発して、野生の時間を走ります。
鷹が優雅に風に泳ぎ、バッファローが群れをなしていました。
道路脇に広がる、アメリカの資産家が所有する莫大な土地。
彼は、この土地を野生の、自然のままに保つために購入したそうです。
ここだけでなく、他の州にもいくつか所有しているとのこと。
開拓やビジネスのために使われる前に。
購入当初は、地元民からの反発もあったそうですが、彼の所有地のありよう、美しさに、多くの人々から賞賛されているとのことです。
そして、帰りも山道を経由して、小さな町を訪れます。
アルパカ農場では、毛を刈られたばかりの細身のアルパカたち。
地元のレストランでの会話と食事。
よく笑うウエイトレスのおばちゃん。
リトル アラスカという名のアイスクリーム屋さんでは、てんこ盛りのアイスクリーム。
道路工事現場で働く、地元の学生。
そこにある暮らしから、自分が暮らす場所へと帰ってきました。
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