2011年10月30日日曜日

自宅出産

自宅出産について、時々、聞かれることがあるので、少し書いてみたいと思います。

自宅出産を選んだというよりも、とても自然に、そして身近に自宅出産がありました。
助産師さんとの自然な出会いも、前回のブログに書いた通りです。
初面談の時に、私達が思う出産について話しました。
それは…
出産の際に、促進剤などの薬を使用しない。
吸引や鉗子分娩を行わない。
会陰切開をしない。
へその緒を数時間おいて切ってもらう。
胎盤を食べたいので引き取りたいこと。
などなど。
確認したら、これらは、彼女らのいつもの出産スタイルでした。

そして、出産予定日の数週間前に、助産師さんから、再度、私達の要望を聞かれました。
特にアメリカには、様々な人種や宗教の方々がいるので、それぞれの要望や希望を聞くのはとても重要で、その内容も多種多様なようです。

出産予定日を過ぎても何の兆しもない数日。
お腹の子に「会いたいよ〜」「いつでもいいよ〜」などと話しかけてました。
1週間を過ぎた頃、助産師さんから心音機を渡され、毎日、心音の確認をし始めました。
私は毎日お灸をしていたのですが、一度、棒灸がお腹のかなり近くに接近した時、赤ちゃんが居場所を大きく移動しました。
まさに、ギャッ!と声が聞こえてきそうな位の大移動。笑)
熱かったのかしら…かなり心配に。
「ごめんね〜」と誤りながら、お腹を擦り続けたのを懐かしく思い出します。
と同時に、おっかなびっくりで体位を変えた赤ちゃんを想像すると、また愛おしくて…

そして、予定日を12日超えた日に、陣痛が始まりました。
家で一人、待ちに待った陣痛で、痛みも喜びでした。
痛い痛い…でも嬉しい嬉しい…みたいな。笑)
テッドが仕事から帰ってきてからは、二人三脚です。
リビングルームのソファーの上にクッションを重ね、膝立てで、それにもたれるようにして陣痛を迎えます。
仙骨の痛みが激しく、仙骨を垂直に押してもらうと痛みが緩和されたので、その押し役にテッド。
数分毎にやってくる陣痛中、よく押してくれました。
ふとお休みモードに入りそうなテッド。
すかさず、私からの「お願い!」の声。ご苦労様でした。笑)
5分間隔になった頃、助産師さんに電話。
30分後に、助産師さん達が到着してました。



リビングルームに灯る薄暗い照明。
音楽をかけたいか聞かれたので、私は、音楽なしを選択。
ここから何時間かかるか分からない現場で、慣れ親しんだ助産師さん達は、私達を見守りながらも、交代で横になり、休憩や仮眠をとっています。
このリラックスした光景が、何だかとってもほのぼのとして、嬉しかったな〜
ぴしっと背筋を伸ばして、陣痛に耐える私を見てられたら、それこそ大変。
早く出産しなきゃーと緊張してるだろうな…なんてことも陣痛中に思ったり。
まだ余裕あります。
夜の静けさが包む中、私一人、陣痛とのおつき合い。
いえいえ、一人ではなく、テッドも、引き続き仙骨を押してくれてます。

陣痛の間、我が子に向けて、言い続けてました。
ありがとう。
感謝します。
許して下さい。
愛してます。

4つの魔法の言葉とも言われており、我が子へのメッセージでもありますが、同時に、陣痛の痛みが少しでも和らいでくれるかも…と魔法に期待したりして…へへへ…

そして、日付が次の日に。
横になってる私の背後に、同じく横になる助産師さん。
陣痛がくる度に、テッドに変わって、仙骨を優しく擦ってくれます。
これがまた気持ちよくって…
途中、何度か助産師さんの手がお休みすると、「続けて〜」と心で叫んでました。笑)

深い夜の中、リラックスするよう、お風呂に入ることを勧められました。
いつものお風呂に、初めての陣痛入浴。
助産師さんが、浴槽のすぐ側に座り、呼吸や力の抜き具合を絶妙のタイミングで先導してくれます。
この絶妙さ!声を大にして言いたい程。
どのくらい浸かっていたのか…お陰さまで緩みました。
入浴後に子宮口チェックすると、助産師さん「頭がすぐそこに」との声。

その後の瞬時のプロフェッショナルな2人の敏速な動きには感動しました。
ビニールシートをザッと敷き、その上に、赤ちゃんを受け取り、出血を吸い取る用の布やブランケットを重ねます。
ザッと音がしたと思ったら、一瞬の内に、本当に瞬時に、それらが準備されてたのです。
その動きが、本当に素早くて、経験を物語っていました。
さすがです。

そこからは、今までの時間に比べるとあっという間でした。
テッドママも加わります。
助産師さんの先導の言葉、赤ちゃんの位置を教えてくれる声、そして、私の口から出てくる音…

頭が出てきた瞬間、触らせてくれた我が子の頭。
髪の毛が私の指に触れました。
当たり前ですが、生まれて初めての感触です。

出産の体勢は、私が思うように、フリースタイルで臨みました。笑)
横向け寝→仰向け寝少し→横向け寝→クッションにもたれての膝立ち→
最後は、クッションにもたれての片膝立ち&もう一方はスクワット立ち
詳しい説明、すみません。。。

自分の股の間から、我が子がドサッと落下(言い方悪いですが…)した瞬間を今でも覚えています。
もちろん、待ち受けている助産師さんの手の上に。
破水はなく、最後まで包んでくれていた卵膜が、私の体内から出てきた瞬間に破れました。
助産師さん曰く、赤ちゃんにとってとてもいい状態だったとのこと。
すぐに、生まれたての我が子を、股の間から私の胸元に手渡してもらいました。
へその緒で繋がった我が子を抱き、涙があふれ出し、止まりませんでした。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。


(生まれたての空)

そして、後産です。
とてもスムーズに胎盤が出てきました。
助産師さん達、その大きさにびっくり!!!
「こんなに大きな胎盤は見たことがない…2人分あるよ!」と。
私とテッドにとっては、初めて見る胎盤だったので、へ〜そうなんだ〜ってなもんです。
テッドは冗談で、「お腹の中で、1人食べたのかもね〜」なんて、得意のブラックジョーク。

確かに、見事にぷりぷりとしてました。
我が子に栄養が行き届いていたようです。安心、ホッ。
助産師さん、直ぐに胎盤の処理をしてくれます。
私達は食べる予定にしていたので、テキパキと下処理を。
生食用と、冷凍保存用に分けてくれました。

予定日を12日過ぎた日を、選んで誕生してくれた娘の空。
きっと、その時が、母子ともに最善の日だったのだと思います。

とてもいいお産でした。
ただただ、感謝です。

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